なぜ、人間は忘れるのだろうか?
なぜ、人間は覚えようとするのだろうか?
なぜ、意識があるのだろうか?
脳はまだまだ未知の分野で使ってない部分はたくさんある。
グラッサンはそんな分野の専門家で研究者だ。
なぜ、なぜ、なぜで埋め尽くされた彼の日常生活は他人から見たらノイローゼになってしまうほどの生活だ。
室内には、メモの紙切れが無数に貼られ、気づいた疑問などが事細かに記されている。
なぜ、私が居るのか?
私は私が作った覚えがない。
母は私がお腹に居た時に私を作ろうとは思わなかったと言う。
自然に母のお腹の中で成長して誕生したのだから。
なぜ、私は生まれてから意識が備わっていたのか?
どこから私は来て、どこへ帰るのか?
無数の何故何故にペタンコに意気消沈してしまったグラッサン。
歩いていると子供らの元気に遊ぶ姿が目にはいった。
グラッサンはそんな子供たちに、
「君たちはなぜ居るんだい?」と話しかけた。
子供らは最初キョトンとしていたが、
笑いながら「そんなの当たり前じゃん、おじちゃんが居るのと同じだよ、ばーか。神様がい
るからだよ、ばーか」。
グラッサンは最後の「神様がいるからだよ・・」にヒントを得て聖職への道に入る。